いつまでも笑っていられるだろうか。
背後に迫る、絶対の死を感じて。
そんなことは重要じゃない。
彼女はいつまでも彼女のままだった。
よく笑い、よく怒り、よく声を張り上げた。
誰にも言わなかった、いや少なくとも俺には言わなかった。
最後に俺たちと別れるまで、殺しても死なないくらいの。
後になって聞いた話だ。
彼女は最初から自分に降りかかるであろう運命を知っていた。
そして、残された時間が短いことも。
彼女は何を思っただろう。
もう、再び会えないかもしれない、送り出した俺たちを、もう見れないかもしれない。
彼女は何を思って暮らしただろう。
俺たちとの限りある会話に、何を思っただろう。
負けないように、くじけないように、最後まで
俺たちに嘘をつき続けた。
そんなことは重要じゃない。
彼女の、生を賭けた思いに対して、俺は何をおもっただろう。
オレは何をしたのだろう。
彼女の生に対して、オレの生は
そのことを今更、今更に後悔してならない。